更新日:2026年01月28日

腹部膨満感(お腹の張り)の原因とは?
取り入れやすい解消法や予防法を解説

腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)、つまり「お腹の張り」は、何とも言えない不快な症状です。気になって食事や外出、旅行を楽しみづらい、トイレやおならが心配で出不精になる…など、健康や生活へ少なからず影響が生じてしまいます。今回は腹部膨満感の原因や対策について、詳しくみていきましょう。

監修:内藤 裕二 先生
(京都府立医科大学大学院 医学研究科 教授/
一般社団法人 日本ガットフレイル会議 理事長/
日本潰瘍学会理事長)

腹部膨満感とは

腹部膨満感とは、文字通り、お腹(腹部)が膨らんだ(膨満)ような感じ(感)ということです。一般的には、「お腹の張り」などと表現されます。
腹部膨満感を訴える人のお腹を実際に見てみると、本当に腹部が張れているのがわかるケースと、外観上はわからないケースがあります。医学的には、前者を「腹部膨隆(ふくぶぼうりゅう)」、または「腹部膨満」というように「感」を付けずに呼び、自覚症状としての腹部膨満感と区別しています。

腹部膨満感の症状

腹部膨満感に該当する一般的な症状(訴え)としては、以下のようなものが挙げられます。

  • お腹が張って苦しい
  • お腹に圧迫感がある
  • お腹に空気(ガス)が溜まっている
  • お腹がゴロゴロ鳴る
  • 胃が重たい
  • ゲップやおならが気になる
  • ズボンやスカートがきつい
  • お腹が膨れて動きづらい など

また、腹部膨満感のために食欲が出ない、少し食べただけでお腹がいっぱいになる、トイレが心配で外出したくない…といった影響が生じてしまうこともあります。
なお、腹部膨満感は便秘にともないやすく、その場合は排便回数の減少や排便困難、残便感、腹痛などの症状が現れることもあります。

腹部膨満感が起こる原因

腹部膨満感は、お腹の中に何かが溜まっていたり、食べた物の流れが悪くなっていたりすることで起こりやすいものですが、そればかりではありません。ここでは、腹部膨満感の主な原因を見てみましょう。

便秘

便が腸に滞りがちになっているときに、腹部膨満感が生じることがあります。また便秘のときには、腸の中でガスが発生しやすくなることも、症状の発現に関わっています。

ガスが溜まっている

腸の中で発生したガスや、飲食の際に消化管(口から肛門までの管)に入り込んだ空気、あるいは血液から拡散して腸内に移行したガスの量が多すぎるときにも、腹部膨満感が生じます。

消化管の器質的な異常

がん、腸閉塞、腸ねん転などの器質的な異常(組織の構造的な異常)により、消化管の内容物が滞り、腹部膨満感が生じることがあります。

消化管の機能的な異常

消化管の機能的な異常でも、腹部膨満感が起こることがあります。機能的な異常とは、上述の器質的な異常とは異なり、検査では原因を特定しにくい異常のことです。例えば、過敏性腸症候群、機能性ディスペプシアなどの病気が該当します(それぞれの病気については後で解説します)。

腹水(ふくすい)

肝臓の病気があったり、栄養状態が極端に良くないときなどに、血液中の水分が血管から漏れ出しやすくなって、その水分がお腹に溜まり腹部膨隆(腹部膨満)が起こることがあります。このような理由でお腹に溜まった水のことを「腹水」と言います。

尿が出ていない

泌尿器の病気や神経障害などのために尿が出ないときに、膀胱に尿が溜まって腹部膨隆(腹部膨満)が生じることがあります。

その他

女性の妊娠や肥満の進行が、腹部膨満感として自覚されることがあります。また、何らかの薬(一部の糖尿病用薬など)の副作用も原因として考えられます。

腹部膨満感と便秘の関わり

腹部膨満感は便秘にともないやすい症状です。また、何らかの理由で腹部膨満感があると、その症状に紛れて便意がはっきりしなくなり、それが便秘を助長するということもあります。
つまり、腹部膨満感と便秘が並存している場合、互いに原因となり結果にもなるという関係が成立し得ます。

<便秘や便秘に伴う腹部膨満感に>

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腹部膨満感と関連のある病気や状態

以下のような病気や状態では、症状として腹部膨満感が生じることが少なくありません。
※以下の疾患は、医師の診断が必要です。心配な場合には、早めに医師の診察を受けましょう。

胃食道逆流症/逆流性食道炎

胃食道逆流症とは、胃の内容物(食べた物や胃酸)が食道に逆流してしまう病気です。逆流性食道炎とは、胃食道逆流症のために、食道に炎症が起きている状態のことを言います。これらの病気でよく現れる症状は胸やけですが、腹部膨満感が生じることもあります。

機能性ディスペプシア

上腹部の不快な症状が現れ、検査では異常を特定できない病気です。胃潰瘍やピロリ菌感染症などの、他の病気の可能性を否定したうえで診断されます。胃の痛みや不快感などとともに、腹部膨満感が生じることがあります。

過敏性腸症候群

下痢または便秘、あるいはそれらの両方を繰り返す病気です。詳しい原因は不明ですが、ストレスが関与しているのではないかと考えられています。下痢や便秘以外の症状として、腹痛や腹部膨満感が生じることもあります。

イレウス/腸閉塞(ちょうへいそく)

イレウスとは、何らかの原因(器質的・機能的両方の異常を含む)で腸の内容物の通過が妨げられている状態のことを言います。イレウスのうち、腸の中に何かが詰まっていたり、炎症の腫れのために内腔がふさがれていたりといった器質的な異常によるものが、腸閉塞です。器質的な原因であっても機能的な原因であっても、このような状態では内容物がスムーズに通過できないため、腹部膨満感が生じることがあります。

急性胃腸炎

何らかの原因、例えば食中毒などで胃や腸に急性の炎症が起きた場合に、お腹の症状の一つとして腹部膨満感が生じることがあります。

呑気症(どんきしょう)

呑気症とは、飲食時などに飲み込んだ空気が食道からお腹に入り込んでしまった結果、げっぷやおならが増える状態のことで、同時に腹部膨満感も生じやすいとされています。

腹部膨満感を引き起こす、
生活習慣に関わる要因

ここまで解説したように、腹部膨満感の原因は多岐にわたります。そのような中で、ここからは生活習慣に関係がある要因について解説していきます。

食生活の乱れ

炭酸飲料の飲みすぎや、お腹の中で発酵しやすい食品(豆、牛乳、さつまいもなど)の摂りすぎは、腹部膨満感を起こりやすくすると言われています。特に「FODMAP(フォドマップ)」と呼ばれる、腸内細菌による発酵スピードが速い炭水化物を短時間で大量に摂取すると、腸に入って発酵が一気に進むことにより、その過程でできたガスが腸を刺激し、お腹がゴロゴロしやすくなるといわれています。気になる場合はFODMAPに含まれるオリゴ糖などを避けた方が良いかもしれません。
一方、腹部膨満感を引き起こすことの多い便秘との関連で、食物繊維の不足や朝食の欠食などもリスクとなり得ます。ただし、食物繊維については、必要以上に摂りすぎてしまうと便秘をひどくしてしまうこともあるため、注意が必要です。食物繊維の中でも特に腸内で発酵しやすく、善玉菌(有用菌)のエサとなるものは「発酵性食物繊維」と呼ばれていて、健康上のさまざまなメリットがありますが、その一方で、腸が敏感な人はお腹がゴロゴロしやすくなるともいわれています。
どの食材においても摂りすぎは控え、バランスの良い食事を意識しましょう。

ストレスの蓄積

ストレスは、消化管に起きる機能性疾患のリスク因子(ある病気や状態を引き起こす確率を高める要因)と考えられています。消化管の機能性疾患としては、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群などが該当し、それらの病気の症状の一つとして、腹部膨満感が生じることがあります。
なお、機能性疾患は、検査をしても症状に見合うような異常を見つけにくいという特徴があり、それは機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群にもあてはまります。

腸内環境の乱れ

食生活やストレス、あるいは運動不足などのために腸内環境が乱れてくると、便秘がちになり、腸内で食べた物の発酵や腐敗が進みやすくなります。すると腸内にガスが増えて、腹部膨満感が生じやすくなります。

腹部膨満感の解消法と予防法~便秘対策を中心に~

生活習慣が関係して生じる腹部膨満感の予防や解消には、生活習慣の見直しが大切です。ここではその中でも、腹部膨満感の主な原因の一つである便秘に焦点をあてて、対策のポイントを紹介していきます。

食生活を改善する

食べすぎや飲みすぎ、早食いをしない

食べすぎたり飲みすぎたりすると、食べ物や飲み物が急に消化管に送り込まれて、消化機能が一時的に低下し、腹部膨満感が生じやすくなると言われています。また早食いでは、食べ物と一緒に空気を吸い込みやすくなり、上述した呑気症につながりやすいとされています。
食事はよく噛んで、適量を食べるようにしましょう。よく噛んでゆっくり食べると、少量でも満腹感を得られやすいというメリットもあります。

食物繊維を摂る

食物繊維は、水分を吸収して便の‘カサ’を増やすことで腸のぜん動運動(腸の内容物を先へ先へと運ぶための運動)を促進したり、便を柔らかくしたりします。この働きが便秘改善につながると考えられているのです。また、健康にとってプラスに働く善玉菌のエサとして食物繊維が利用されることで腸内環境が整えられることも、便秘改善につながります。
ただし、食物繊維の摂りすぎによって便の通過時間が長くなったり、ガスの産生が増えたりする可能性も指摘されていて、それが腹部膨満感を強めることも考えられます。そのため、摂りすぎには注意が必要なのです。
なお、「日本人の食事摂取基準2025年版」には、食物繊維を「少なくとも1日当たり25gを摂取した方が良いと考えられる」と記されています。それに対して、「国民健康・栄養調査(令和5年)」における日本人の食物繊維摂取量は平均17.8gと報告されています。このことから、多くの日本人は、食物繊維の摂取量が全体的に不足していると考えられます。

適度に水分補給をする

食物繊維を十分に摂っている状態で水分を多く摂ると、食物繊維が水分を吸収して便が柔らかく膨らみます。すると腸のぜん動運動が促進されて、排便が促されます。また、起床後に牛乳や水をコップ1杯程度飲むことも推奨されています。単に水分補給になるという点に加えて、起床後の水分摂取は腸の刺激にもなり、排便が促されると言われているからです。

朝食を欠かさない

1日3回の規則正しい食事が、快便につながると言われています。特に朝は、「大ぜん動」と呼ばれる腸の大きなぜん動運動が起こるタイミング。大ぜん動を促進するためにも、朝食が重要なのです。仕事や家事、育児などで忙しくても、できるだけ朝食は欠かさないようにしましょう。

適度に運動する

運動をすると腸の動きが活発になると言われています。激しい運動をたまにするよりも、ウォーキングなどの適度な運動を毎日継続すると良いでしょう。
なお、日々の運動量が多い人では、食物繊維の摂取量が多いほど便が柔らかいという関連があることが報告されています1)。一方で、運動量が少ない人では、食物繊維の摂取量と便の硬さの関連が見られないという結果も示されています。このことから、運動量が少ないと、せっかく食物繊維を多く摂っても、便秘改善という点では効果を十分得られない可能性があると考えられます。

  • 1) Effect of Physical Activity on the Association Between Dietary Fiber and Constipation,Yi Li.Wei-Dong Tong.Yang Qian

ストレスを解消する

すでに解説したように、便秘を含め、腹部膨満感を起こすことのあるさまざまな病気や状態にはストレスが関与しています。これには、消化管の機能の多くが自律神経の働きで調整されていることが関係していると考えられます。自律神経は、ストレスの影響を受けやすい神経だからです。
現代社会においてストレスを完全に避けることは難しいものですが、読書や音楽鑑賞など、自分に合ったストレス解消法を見つけるようにしてください。運動を組み合わせれば、ストレス解消の面と便の状態を良くする面で一石二鳥ですね。

市販の便秘薬を服用する

生活習慣を改善しても便秘改善が思わしくない場合は、便秘薬を試してみるのも一つの手です。
市販の便秘薬にはさまざまな種類があり、漢方薬もそのうちの一つです。
便秘に使われる漢方薬の中で最も一般的とされるのが「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」です。大黄甘草湯は大黄と甘草という二つの生薬で構成されていて、大黄は主に腸のぜん動運動を促進し、甘草は便意にともなって生じる痛みを緩和するように働きます。
なお、市販の大黄甘草湯には錠剤と顆粒の二種類があります。錠剤の場合は、半錠ずつ調節できるよう、錠剤に割線(かっせん)が入っている製品もあります。自分の便通の状態をチェックし、割線を活用して用量を調整しながら服用してみるのも良いでしょう。

<漢方処方「大黄甘草湯」にもとづいた市販の便秘薬>

生活習慣の改善と適切な薬の服用で、腹部膨満感を解消しよう

腹部膨満感(お腹の張り)という症状の原因と、関連のある病気、対策のポイントについて解説してきました。腹部膨満感はさまざまな理由で生じますが、便秘にともなって生じることが少なくありません。そして、便秘にはさまざまな生活習慣が関係しています。便秘による腹部膨満感が気になったら、まずは生活習慣を見直してみましょう。それでも改善しない場合は、薬剤師や登録販売者に相談して漢方の便秘薬を服用してみるのも良いでしょう。

参考

  • 日本消化管学会編集「便通異常症診療ガイドライン 2023――慢性便秘症」
  • 南江堂「消化器疾患 改訂第2版」

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大地の漢方便秘薬の製品画像
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