製品特徴当社が開発した品種「信州大黄」「都甘草」
20年以上かけて開発した純国産生薬「信州大黄」と「都甘草」
高品質で、日本の気候風土に適した「信州大黄」

大黄には多くの品種があり、その品質や成分にはバラつきがありました。良質で常に安定した品質のものを確保するのは難しく、また中国の高冷地で育つ「錦紋(きんもん)大黄」は、日本の気候では栽培するのが難しいとされていました。そこで、当社は日本の気候に合い、高品質で安定的に供給できる大黄の開発に着手。20年以上もの歳月をかけて、品質のバラつきが少なく、少量で潟下効果を示す高品質な大黄を作出しました。この新品種は、作出地の信州にちなみ「信州大黄」と命名。国産大黄第一号として農林水産省に認められました。
20年以上かけて高品質を実現「信州大黄」のあゆみ
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1939年当社の前身である武田薬品で栽培研究スタート入手したチョウセンダイオウの種子から京都で栽培をはじめたが、失敗の連続だった。
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1956年長野県で本格的な栽培研究に着手栽培には高冷地が適していることがわかったため、気温の低い長野県茅野市で栽培をはじめる。育成したもののうち、成分量が安定しているなど、ほかのものより優れていたチョウセンダイオウを育種用の親株(母本)とする。
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1961年苦労を重ねて父本を確保大黄は自分の花粉では種子を作れないため、膨大な時間をかけて2000株以上の交雑株から、成分・作用ともに母本のチョウセンダイオウに匹敵する優れた個体S-1618を父本として確保。
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1966年北海道で試験栽培を開始栽培に適した北海道で、母本チョウセンダイオウと父本S-1618を交雑させて得られた種子より育成した苗の試験栽培を開始する。
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1969年国産大黄第1号「信州大黄」誕生品質、効果ともに優れた大黄を収穫。信州大黄と命名し、北海道で生産栽培を開始する。
ポイントは大腸の運動を促す “センノシド”

ポイントは大腸の運動を促す “センノシド”
「信州大黄」の根には“センノシド”という物質が含まれています。このセンノシドに、大腸の運動を促す働きがあるのです。根は、年を追うごとに成長し、それに伴いセンノシドの含有量が多くなります。
豊富で安定したセンノシド含有量を実現
大黄の瀉下作用(便通効果)の中心的役割を持つ成分が、センノシドAです。信州大黄は、センノシドAの含有量が多く、その量にバラつきが少ないという特徴があります。

【出典】Takeda Res. Lab.,38(1/2),22-26(1977)
- サンプル数:信州大黄34検体、錦紋大黄15検体、雅黄29検体
- 測定結果:0.05未満となった1検体(雅黄)は0.05として算出 ※日本薬局方「ダイオウ」のセンノシドA含有量の基準:0.25%以上
〈グラフの見方〉
- p<0.05:統計学的な信頼性を表す。一般的にこの値が5%未満(p<0.05)の場合、データに「統計学的な有意差(偶然や誤差で生じた差ではない意味のある差)がある」とする。
- 標準偏差:平均値(棒グラフで表示)をはさんで、上下に伸びている線の部分。データのバラつきの範囲を表す。
「信州大黄」の知見を活かし、開発された「都甘草」

生薬「甘草」は、一般用漢方製剤の約7割に配合されている漢方薬の中心的な存在です。しかしながら、日本で使用される甘草のほとんどは輸入品に頼っています。安定して高品質な甘草を確保するために、甘草の国産化は長く課題となっていました。そこで、「信州大黄」を独自開発した当社は、その知見を活かし、甘草の国産化にも着手。20年以上研究を重ねた末に、品質のバラつきが少なく、生育旺盛で高品質な甘草の作出に成功しました。この新しい甘草は、作出地の京都にちなみ「都甘草」と命名され、国産甘草第一号として農林水産省に認められました。
チャレンジを重ねて20年
「都甘草」のあゆみ
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1994年当社の前身である武田薬品の京都薬用植物園で研究開始本格的な栽培研究に向けて、栽培方法や評価体系の確立など基礎研究をはじめる。
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2000年本格的な研究に着手保有する7系統のウラルカンゾウから母本および父本となる優良個体を選定。しかし、開花時期がズレていたため、自然交雑ではなく人工交雑に踏み切る。
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2006年「都甘草」誕生母本と父本の交雑種を育成して評価した結果、優良個体を選出する。作出された京都にちなみ、「都甘草」と名付けられる。
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2010年品種第1号として「都1号」を農林水産省に出願、商標「都甘草」取得。
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2014年「都1号」が品種登録
都甘草の「生育旺盛・直立性」の特徴

グリチルリチン酸(GL)含量が高く、生育旺盛、直立性の性質を備えた都甘草は、生産栽培に適した理想形といえます。草丈はかなり高い。根は太く、その数も多い。複葉の葉は楕円形をしていて、小さな花を咲かせる。こうした特徴を持つ都甘草は、2010年に農林水産省に品種登録を出願、2014年9月11日にカンゾウとして初めて品種登録されました。研究を開始してから品種登録にいたるまで、約20年かけて栽培研究しました。
薬効成分 “グリチルリチン酸”

「都甘草」には“グリチルリチン酸(GL)”という物質が含まれています。
根をかじると甘い味がする甘草。その正体は、主要成分の“グリチルリチン酸(GL)”で、ショ糖の約150倍もの甘味があり、天然の甘味料として食品にも使用されています。
⽣薬「⽢草」は、瀉下剤に対する緩和作⽤を有しています(※1)。
※1 参考資料:漢方294処方 生薬解説 じほう
豊富で安定したグリチルリチン酸含有量を実現
甘草の中心的な成分はグリチルリチン酸(GL)です。都甘草は、GLの含有量が従来の当社便秘薬配合甘草と同等以上に豊富で、その量にバラつきが少ない特徴があります。
平均値・標準偏差]

【調査機関】株式会社インテージ
- サンプル数:「大地の漢方便秘薬」配合都甘草17ロット、従来の当社便秘薬配合甘草9ロット ※第十六改正日本薬局方「カンゾウ」のグリチルリチン酸含有量の規格値:2.5%以上
<グラフの見方>
標準偏差:平均値(棒グラフで表示)をはさんで、上下に伸びている線の部分。データのバラつきの範囲を表す。
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